アートクープについて
技術を超えて、表現の領域へ。
模様に思いを刻む、新しいパンの世界。
アートクープとは
ただのクープでは終わらない。 アートクープは、生地の特性と発酵の力を見極め、意図をもって模様を刻む技法です。 割れやすさや見た目の美しさだけでなく、「どのタイミングで、どの角度で、どのようなラインを入れるか」という思考と選択が、パンに“表情”を与えます。 特に高加水のサワードゥカンパーニュとの相性は高く、湿度・温度・発酵具合・焼成環境などを含めた総合的な設計力が求められます。最後に頼れるのは経験に裏打ちされた直感と手の感触。―それが、アートクープの奥深さであり、創造の魅力です。
サワードゥとは
サワードゥとは、イーストではなく、小麦粉と水だけで自然に育てた酵母を使って発酵させるパンのことです。 「サワー(酸っぱい)+ドゥ(生地)」という名前の通り、ゆっくりと時間をかけて発酵させることで、ほんのり酸味のある奥深い味わいに仕上がります。 この自然発酵によって、グルテンが分解されやすくなり、食べたときに“すっと体に入ってくる”感覚を覚える人も多く“体にうれしいパン”として世界中で愛されています。 発酵のリズムに合わせてゆったりとパンを育てる時間は、日々の暮らしを静かに整えてくれるひとときでもあります。
アートクープの魅力
01 / 目で味わう、パンの芸術
アートクープは、食べる前から楽しめる“目で味わう”パン。 クープの開き方、模様の流れ、生地の立ち上がり方——すべてが焼成によって一瞬の造形美となって現れます。その完成の瞬間は、毎回が新しい作品との出会いです。
02 / 技術と感性が響き合う表現
生地の状態、発酵の進み具合、焼成環境ーーそのすべてを見極めた上で、ナイフを入れる瞬間にすべてが凝縮される。それがアートクープです。高い技術に裏打ちされた直感と、美を追い求める感性の交差点に生まれる表現は、まさにパンづくりの新境地です。
03 / 自分と向き合う静かな時間
アートクープの作業は、時間を忘れるような集中の世界。 模様のかたちを思い描きながらナイフを進めていくと、周りの音も雑念も遠のいていきます。 パン生地と向き合うそのひとときは、まるで“静けさに包まれる手仕事”。心が整い、自分らしさを取り戻せる時間です。

アートクープを専門的に学びたい方へ
焼き上がりに差がつく、次のステージへ
「クープが開かない」「理想の模様が描けない」——その壁を越えた先に、パンは技術から表現へと変わります。 Art Coupe Masterclassは、サワードゥとアートクープの技術を体系的に学び、自分だけの模様を生み出す力を磨くためのプログラムです。 さらに深くパンと向き合いたい中級者の方へ、新たな探究の扉をひらきます。