『あれ?今日はなんかクープが開かない…』そんな日、ありますよね。

「今回はうまくいった!」と思った次の日に限って、

なぜかパンがふくらまない。クープが割れない。

“あれ?”と首をかしげながら、オーブンの前で立ち尽くす。


そんな日、ありませんか?


私もあります。何度も、何度も、何度も。

特にサワードゥをはじめたばかりの頃は、成功と失敗の波に、心まで揺さぶられていました。


冷蔵発酵の時間、室温の違い、水分量、粉の種類…

頭ではわかっていても、パンは生き物。

ちょっとした気温や湿度で表情が変わるから面白くもあり、むずかしくもある。しかもイースト菌でなく天然酵母だからコントロールの難度は上がります。


写真:黒ゴマ入りのカンパーニュを焼いたのに、見た目はもはやシュトーレン...切ない..

ある日なんて、

「もう絶対これで完璧!」と思って焼いたのに、

全然クープどころか、つるんとした座布団パンが出てきてがっかり。長時間かけて作ったのに思うようにいかないとブルーな気持ちになって、しまいにはハードパン作りから離れて、「あいつのこと嫌いだー」なんてスネてみたり。


でも、数ヶ月経つと、また練習してしまう。その繰り返しがサワードゥカンパーニュへの熱い思いにつながりました。


うまくいかないと、がっかりするし、ちょっとだけ自信もなくすけれど、

それでもまた焼きたくなるのは、

やっぱり自分でやってみたい、できるようになりたいからかもしれません。


——今日は開かなかった。でも、つぎは開くかもしれない。

そんなふうに、気持ちを切り替えて、また粉に手をのばす。

この繰り返しが、パンとの関係を育ててくれるんですね。



次の記事では、そんな“パンとの関係”の中で気づいた、

「サワードゥって、人と似てるかも?」という小さな発見について書いてみたいと思います。



もしよければ、あなたの“開かなかったパン”の写真も、ぜひSNSで教えてください。うまくできたパンを見るのもいいけどあえて失敗したのを載せるのも結構盛り上がるかも。


ぜひインスタグラム「#アートクープのある暮らし」をつけて投稿してください。みんなでつながりましょう。


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サワードゥと向き合う、ほんの少しの“私の時間”

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44歳、私がアートクープを始めた理由