初めてのサワー種起こし。全粒粉との関係を考える
全粒粉と水を混ぜて4日目に起こる変化
サワー種を初めて育てていると、3〜4日目あたりで急に見た目の変化が大きくなり、「これは順調なのだろうか?」と不安に感じる瞬間があるものです。
とくに全粒粉を使ったスタートでは、白い強力粉よりも発酵が早く、酵素の働きも強いため、思っていた以上に“変化が激しい”印象を受けやすくなります。
混ぜた直後はまとまりがあっても、翌日には「水が浮いている」「層になって見える」など、イメージとは違う姿に驚く方も少なくありません。
レシピではトロッとしているのに、水っぽい。これは失敗?
サワー種作り6日目の様子。上澄みがあり分離しているのがわかります。
結論からお伝えすると——水っぽく見えることは失敗ではありません。むしろ“全粒粉の特徴”そのものです。
全粒粉には次のような性質があります。
・外皮(ブラン)や胚芽が多く、水の浸透に時間がかかる
・酵素が強いため、グルテンを分解しやすい
・発酵の進みが早い
そのため、混ぜてしばらく経つと、「上が薄い水の層」「下がドロッとした層」と分離したように見える現象が非常に起こりやすいのです。これは決して失敗ではなく、自然なプロセスです。
気泡が小さくて不安。ほんとうに育っているの?
サワー種の初期段階では、気泡が小さく見えたり、発酵の進みがわかりにくくなることがあります。しかし、これは“育っていない”のではありません。瓶の中では静かに確実にスクスクと育っています。
6〜7日目になったら、清潔なガラス瓶に作ったサワー種を20g移し、水40g、全粒粉20g、リスドォル20gを入れてよく混ぜ、8時間ほど置いておきましょう。(室温25程度)
すると、あなたの心配をよそにサワー種は元気に活性化するはずです。量が2倍程度になったらパン作りに使えます。
もし、活性が足りない場合は上記の作業を1、2日繰り返してください。徐々に元気になるはずです。焦らず、同じリズムで続けてあげれば大丈夫です。
全粒粉ゆえの分離。理屈がわかれば、もう不安にならない。
サワー種の初期は、見た目の変化も大きく、そのたびに心配を感じるのは自然なことです。
けれど、こうして粉の性質を知れば、その揺れさえも「サワー種の自然なリズム」として受け止められるようになります。
アートクープ協会では、こうした「なぜそうなるのか」を大切にし、丁寧に紐解きながら学べる講座をご用意しています。
サワー種を起こしてみたいあなたに。
日本アートクープ協会のニュースメールでは
・サワー種✖️高加水アートクープカンパーニュを家庭で美味しく焼くヒント
・7日間で自家製サワー種レシピ&本格ピザのレシピと動画をプレゼント🎁
をお届けしています。
見逃さないようぜひ登録してくださいね。