なぜクープは難しいのか。私が意識している3つのこと

木製の円形台にサワードゥ生地があり、表面にクープ(模様)をほどこしている。ナイフを持った右手と生地に左手が添えられている。

ハードパン作りを始めたからには習得したい技、それが「クープ」。

クープってなんでこんなに難しいんだろう。独学でパンを焼いていた頃の私は、毎回のようにつぶやいていました。


迷走する私のナイフ選び

思い返せばいろんなナイフを試しました。

プロが使うような専用のクープナイフを買っては失敗の連続。
四角い刃、外科手術で使うような刃。
一周回って果ては母の顔そり用のピンクの剃刀まで登場。
オシャレではありませんが、とにかくクープを開かせたい!その一心でした。

しかし迷走の甲斐なく、ただの“浅い線”が虚しく残るだけ。悲しい。。


成功の割合

でもある日、発酵のタイミングを見極められるようになった頃から、不思議とクープが開くようになったんです。

そのとき初めて気づきました。
うまくいかない原因は、刃ではなく「生地の仕上がり」にあるんだと。クープの成功の8割は、生地が決めると言っても過言ではありません。

私が思うに、生地の仕上がりが8割、焼成環境1割、クープの入れ方1割という感じでしょうか。(あくまで個人の見解です)


私が意識している3つのこと

アートクープが施されたカンパーニュが机の上にあり、その横に木製のスプーンと小麦粉、ナイフがある。

まずひとつ目は「刃の角度」。
刃の面ではなく、角を使って入れるとクープラインがシャープになります。

ふたつ目は「よく切れるナイフ」。
複雑なアートクープであればあるほど、切れ味が仕上がりに直結します。
毎回取り替える必要はありませんが、次回は別の角を使うなど刃の状態をよく確認しましょう。持ち手がない刃だけのタイプでもOK。ただし怪我には注意。

そして三つ目が、いちばん大事な「心構え」。
“クープは一回で入れるもの”と言われますが、正直、2日もかけて作った生地の最終段階で、一発で決めるなんて……マジでプレッシャーが大きすぎます。私は2〜3回に分けて仕上げることもあります。
緊張よりも、“リラックスして生地と会話する”ことを優先しています。


女性が風船をもって草原に立っている。

クープは、最後の仕上げではなく「積み重ねの結果」

クープって、結局は生地づくりのすべての工程がつながっているんですよね。温度管理、発酵、成形、そして焼成。どれも切り離せません。


あの頃の私を振り返ると、目の前のナイフやオーブンの温度ばかりに気を取られていて、本当に大事な“前の段階”を見逃していました。

目に見える結果は、積み重ねた工程の先にある。だからこそ、クープはいつだって奥が深い。だからやめられないのです。


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カンパーニュは“バヌトン”がないと作れない?